問題1: イオン結合と組成式
次の陽イオンと陰イオンの組み合わせでできる化合物の組成式と名称を書け。
- Na⁺, Ca²⁺, Al³⁺, OH⁻ (水酸化物イオン), SO₄²⁻ (硫酸イオン)
解答と解説:
- Na⁺ + OH⁻ → NaOH (水酸化ナトリウム)
- Na⁺とOH⁻が1:1で結合し、水酸化ナトリウム(NaOH)を形成します。
- Ca²⁺ + SO₄²⁻ → CaSO₄ (硫酸カルシウム)
- Ca²⁺とSO₄²⁻が1:1で結合し、硫酸カルシウム(CaSO₄)を形成します。
- Al³⁺ + SO₄²⁻ → Al₂(SO₄)₃ (硫酸アルミニウム)
- Al³⁺とSO₄²⁻が2:3で結合し、硫酸アルミニウム(Al₂(SO₄)₃)を形成します。
問題2: 共有結合と電子式
次の分子の電子式と構造式を描け。
- H₂O
- N₂
- CO₂
- C₂H₄
- C₂H₅OH
解答と解説:
- H₂O (水)
- 電子式: Oの周りに2つの共有電子対と2つの非共有電子対が配置される。
- 構造式: H-O-H
- N₂ (窒素)
- 電子式: N≡N (三重結合)
- 構造式: N≡N
- CO₂ (二酸化炭素)
- 電子式: O=C=O
- 構造式: O=C=O
- C₂H₄ (エチレン)
- 電子式: C=C間に二重結合、C-H間に単結合が形成される。
- 構造式: H₂C=CH₂
- C₂H₅OH (エタノール)
- 電子式: C-C-O間に単結合が形成され、OにHが結合する。
- 構造式: H₃C-CH₂-OH
問題3: 化学結合と分子の極性
次の(ア)~(オ)の物質またはイオンについて、以下の問い(1)~(5)に該当するものを、それぞれ1つずつ選び、記号で答えよ。
- (ア) HF
- (イ) NaCl
- (ウ) NH₄⁺
- (エ) CH₄
- (オ) H₂S
(1) イオン結合からなる(ただし、(ウ)を除く)
解答: イ (NaCl)
解説: NaClは、Na⁺とCl⁻の間でイオン結合が形成されています。
(2) 配位結合が含まれる
解答: ウ (NH₄⁺)
解説: NH₄⁺は、窒素原子が4つの水素原子と結合し、そのうちの1つが配位結合です。
(3) 1分子中に2組の非共有電子対が含まれる
解答: オ (H₂S)
解説: H₂Sの硫黄原子には2組の非共有電子対が存在します。
(4) 無極性分子である
解答: エ (CH₄)
解説: CH₄は、分子全体が対称であるため、極性がない無極性分子です。
(5) 分子間に水素結合が形成される
解答: ア (HF)
解説: HFは、水素原子がフッ素原子と結合しており、強い水素結合が形成されます。
問題4: 化学結合と結晶の性質
次の(1)~(4)の結晶について、A群(粒子間の結合力)、B群(結晶の性質)、C群(実例)の各群から、それぞれ該当するものを1つずつ選べ。
(1) イオン結晶
解答:
- A群: ① 電子対共有による結合
- B群: ④ 電気的引力による結合
- C群: ② 塩化カリウム
解説: イオン結晶は、陽イオンと陰イオンが電気的引力によって結合した構造です。例として塩化カリウム(KCl)が挙げられます。
(2) 共有結合の結晶
解答:
- A群: ② 共有結合の結晶
- B群: ② 融点・沸点が非常に高く、硬い
- C群: ③ 二酸化硅素
解説: 共有結合の結晶は、非常に強い共有結合によって結びつけられた構造で、融点が高く非常に硬いです。例として二酸化硅素(SiO₂)が挙げられます。
(3) 分子結晶
解答:
- A群: ③ 分子結晶
- B群: ① 融点・沸点が低く、脆く
- C群: ① アンモニア
解説: 分子結晶は、分子間力によって結びつけられた結晶で、一般的に融点が低く、脆い特徴があります。例としてアンモニア(NH₃)が挙げられます。
(4) 金属結晶
解答:
- A群: ④ 金属結晶
- B群: ① 自由電子による結合
- C群: ④ アルミニウム
解説: 金属結晶は、自由に動く電子によって結びつけられた結晶で、延性や電気伝導性が高いです。例としてアルミニウム(Al)が挙げられます。
問題5: 金属の結晶格子
右図(a), (b)の金属の結晶格子に関する次の問いに答えよ。
(1) 各結晶格子の名称を答えよ。
解答:
- (a) 体心立方格子
- (b) 面心立方格子
解説: 図(a)は体心立方格子で、図(b)は面心立方格子と呼ばれる結晶構造です。
(2) 単位格子1個には、それぞれ何個分の原子が含まれているか。
解答:
- (a) 2個分
- (b) 4個分
解説: 体心立方格子では、単位格子に含まれる原子数は2個分、面心立方格子では4個分です。
(3) 各単位格子1辺の長さをl [cm]としたとき、原子半径を示す式をそれぞれ記せ。
解答:
- (a) 34l\frac{\sqrt{3}}{4}l43l
- (b) 24l\frac{\sqrt{2}}{4}l42l
解説: 体心立方格子と面心立方格子で、単位格子1辺の長さと原子半径の関係はそれぞれ異なり、上記の式で示されます。